第5回愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会の開幕を目前に控え、日本選手団の選手たちがそれぞれの決意を語った。中日新聞Webが2026年10月18日にまとめた選手コメント集によれば、日本初開催となるこの大会に、選手たちは自国開催の誇りと感謝の気持ちを胸に挑もうとしている。
大会スローガンは「ともに挑み、ともにひらく」。選手団団長の三阪洋行氏は「自国開催というこの特別な大会を日本選手団全員で『ともに挑み』パラスポーツの未来を『ともにひらく』大会にしたい」と述べ、温かい声援で選手の背中を押してほしいと国民に呼びかけた。
自国開催への誇りと感謝
アジアパラ競技大会が日本で開催されるのは史上初めてである。この歴史的意義について、多くの選手が「日本初開催」という言葉を口にした。陸上競技の大山晃司選手は「アジアパラでは日本初開催となる今大会で、日頃のトレーニングの成果を存分に発揮し、支えてくれた方々や日本のためにメダルを獲得できるように頑張っていきます」と述べた。
競泳の久保大樹選手は、無観客開催となった東京パラリンピックとの対比を挙げ、「皆さんの声援を受けながら戦える喜びを思う存分感じます」と語った。ゴールボールの萩原紀佳選手も同様に、東京大会では無観客だった経緯に触れ、「今回、日本の皆さんに実際に会場でゴールボールを観てもらえることを、とてもうれしく思います」と述べている。
地元愛知での開催を喜ぶ声も多い。今井大湧選手(車いすバスケットボール)は「地元の愛知で試合ができるうれしさをコートで表現します。どえりゃーがんばります」と愛知の言葉で決意を示した。パラバドミントンの藤原大輔選手も「どえりゃあ練習してきたもんで、後はやるだけだわ」と語り、土地柄を感じさせるコメントを残した。
日の丸を背負う覚悟
日本代表としての誇りを強調する選手も少なくない。陸上の唐澤剣也選手は「日本代表の誇りを胸に、金メダル獲得を目指して頑張ります」と述べた。同じく陸上の坂本渉選手は「大和魂を胸に、限界を超えてアジアの舞台へ挑みます」と語り、伝統的な精神を胸に刻んでいる。
兄弟そろって初の日本代表に選ばれた若生拳太選手と裕太選手のコメントも印象的だ。弟の拳太選手は「兄弟で日の丸を背負う誇りを胸に兄弟で金銀メダルを目指します」と述べ、兄の裕太選手は「兄弟揃って初の日本代表。喜びを嚙みしめてベストを尽くします」と語った。
車いすテニスの小田凱人選手は「持てる力をすべて出し切って優勝し、車いすテニスの魅力をもっと多くの人に届けたい」と述べ、上位大会への弾みをつける大会と位置づけている。同競技の上地結衣選手も「ロサンゼルス2028につながる大切な大会」と語り、先を見据えた姿勢を示した。
ガイドランナーと伴走者が支える舞台
競技を支える伴走者たちの決意も注目に値する。ガイドランナーの長谷部匠氏は「選手と共に全力を尽くします。ガイドランナーとしてのパフォーマンスを最大限に発揮し2人の走りで大会を盛り上げます」と述べた。同僚の山領駿氏も「選手の力を最大限に引き出せるように、最高のガイドを心がけたい」と語っている。
視覚障害者柔道の和田伸也選手は「これまで長年にわたり伴走などに協力いただいた皆様への感謝を胸に全力で挑みます」と述べ、支えてくれた人々への報恩の思いを前面に出した。このように、選手個人の栄光だけでなく、背後に支える人々への感謝を語る声が選手団全体に共通しており、日本の伝統的な精神を今に伝えるものといえる。
座位バレーボール女子の波田みか選手は「私たち座位バレーボール女子の強みはチーム力です。年齢も障がいもさまざまなチームですが、それぞれの強みを生かしながら、メダル獲得に向けて一丸となって頑張ります」と述べ、多様性の中の調和という大会の理念を体現している。
パラテコンドーの大津恵美子選手は「障害特性や年齢や性別など諦める理由を作ってしまった人のその理由を壊せるよう、精一杯動き回りたい」と語り、競技の枠を超えた社会的な意義を強調した。
大会への期待と共生社会の実現
多くの選手が、この大会がパラスポーツの普及や障害者理解の促進につながることを願っている。車いすバスケットボールの鈴木努選手は「より色んな人にパラスポーツを知ってもらえるように盛り上げたいです」と述べ、車いすラグビーの西村柚菜選手も「たくさんの方々にパラスポーツや車いすラグビーの魅力が届けられるよう、全力で頑張りたい」と語った。
ゴールボールの西村淳未選手は「少しでもこのアジアパラを機会に、障がい者の理解や視覚障害者柔道という競技があると言う事をいろんな方々に知っていただけたらと思います」と述べている。陸上の渡邊大輔選手も「選手のみんなの頑張っている姿を見てもらい少しでも共生社会につながればと、思います」と語った。
日本初のアジアパラ競技大会は、単なるスポーツの祭典にとどまらず、共生社会の実現という我が国の重要な課題に向けた一歩として意義深い。選手たちの「感謝」と「誇り」の言葉に貫かれた決意が、大会の成功を約束するものと期待される。
中日新聞Webによれば、大会はまもなく愛知県名古屋市を中心に開幕する予定で、選手たちは家族や支援者への感謝を胸に、最後まで諦めず戦い抜く覚悟を示している。
