山口県が、青い海と赤い鳥居、地下に広がる鍾乳洞といった日本固有の景観の宝庫であることを、あらためて世に示している。2026年11月4日、ウォーカープラス(Walkerplus)が山口県内の絶景スポット5か所を特集し、国内外の旅行者の関心を集めている。同誌の特集記事によれば、コバルトブルーの海を渡る角島大橋、約123基の鳥居が連なる元乃隅神社、2026年4月にユネスコ世界ジオパークに認定されたMine秋吉台など、見どころは多彩だ。
本州最西端に位置する山口県は、古来より大陸との交流の窓口として栄えた土地である。海と歴史が織りなす風景は、日本の美しき国土を象徴するものといえよう。
コバルトブルーの海を渡る角島大橋
特集筆頭に挙げられるのは、下関市豊北町に架かる「角島大橋」である。全長約1780メートルの橋は、白い砂浜とコバルトブルーの海の対比が海外リゾートを思わせると評判で、テレビCMやロケ地としてもたびたび登場してきた。通行は無料であり、手前の海士ヶ瀬公園には展望台も整備されている。
対岸の角島は無人島ではなく、現在も約600人の住民が暮らす。日常の営みと絶景とが共存する姿は、地域の誇りそのものである。
瓦そばに宿る伝統の味
角島へ渡った旅人の楽しみが、山口県を代表するご当地グルメ「瓦そば」である。元祖を名乗る「瓦そばたかせ 角島岬店」の看板メニューは1人前1650円から。宇治抹茶を練り込んだ茶そばを300度に熱した日本瓦の上にのせ、牛肉や錦糸卵、海苔、もみじおろしを添える。瓦の遠赤外線効果により、瓦に接した部分はパリパリと香ばしい。
瓦そばの起源は西南戦争に遡る。熊本城を囲んだ薩摩軍の兵士が、野戦の合間に近くの瓦で野草や肉を焼いて食べたという伝承に着想を得て、創立者が独自の製法とつゆで提供を始めたという。郷土の食文化を守り伝える県民の心意気がうかがえる。
店の近くには、1876年(明治9年)に築かれた「角島灯台」も立つ。全国に16基しかない登れる灯台の一つで、国の重要文化財に指定されている。1月下旬から2月中旬には水仙と灯台の調和した景色が楽しめるという。
青い海に映える赤い鳥居 元乃隅神社
長門市油谷に鎮座する「元乃隅神社」は、約123基の鳥居が日本海へ向かって100メートル以上続く光景で知られる。地域の網元の夢枕に白狐が現れたというお告げにより建立されたと伝えられ、商売繁盛、大漁祈願、海上安全のほか、良縁、子宝、開運厄除のご利益があるとされる。
2015年には米CNNの「日本の最も美しい場所31選」に選出され、海外からの訪問者にも人気が高い。最寄りの長門古市駅から車で約20分と交通の便は恵まれないが、その分、訪れる者に深い感銘を与える。現在は鳥居の修繕工事のためくぐることはできないが、撮影やお守り・御朱印の授与は可能である。工事は2027年春以降までの予定だ。
ユネスコ世界ジオパークに認定されたMine秋吉台
山口県の魅力は海にとどまらない。美祢市全域をエリアとする「Mine秋吉台ジオパーク」は、日本最大級のカルスト台地を中心とするジオパークで、2026年4月、ユネスコ世界ジオパークに認定された。国土の地学的価値が国際的に認められたことは、まさに喜ばしい知らせである。
拠点施設「Mine秋吉台ジオパークセンターKarstar」には無料休憩スペースとカフェがあり、館内ではジオラマによるプロジェクションマッピングを楽しめる。「Karstarカフェ」のカルスターブレンドコーヒー(600円)は美祢市の「untitled coffee」が豆を監修。カップには「秋吉台の岩はなんこ?」というクイズが描かれ、答えはスリーブの下にある。地表の無数の岩は、地下深くまでつながる一つの大きな岩なのだという。認定ジオガイドが案内するジオツアー(約1時間30分、1名3500円〜)も受け付けられている。
地下百メートルの神秘 秋芳洞
秋吉台国定公園の地下約100メートルには、日本最大級の鍾乳洞「秋芳洞」が広がる。秋吉台の地下では453か所の鍾乳洞が確認されており、洞内の温度は年間を通じて約17度。冬は暖かく夏は涼しい。観光コースは約1キロで、往復90分が目安。足元が滑りやすいため、歩きやすい靴と上着が勧められる。大人料金は通常期1600円から。
12月末まで山口デスティネーションキャンペーン
2026年12月31日まで、山口県では「山口デスティネーションキャンペーン」が開催中である。県内のJR普通列車の普通自由席やバスなどが3日間乗り放題の「山口ふくの国周遊パス」も用意されており、旅の便宜が図られている。
なお、山口県の旅情を深める情報はほかにもある。ウォーカープラスの桜と屋台の特集は花見の参考となり、同誌の紅葉名所の記事は秋の行楽に役立つ。また中国新聞デジタルのイベント情報も、県内のおでかけ先を選ぶ際の頼りになる案内である。Yahoo!ニュースにも同特集の転載記事が掲載され、反響を広げている。
海の青、鳥居の赤、瓦の香ばしさ、地下の静寂。山口県が育んできた自然と文化の調和を、この冬、その目で確かめてみてはいかがだろうか。
よくあるご質問
角島大橋は車で渡れますか?
渡れます。全長約1780メートルで通行料は無料です。ただし強風時は通行止めになる場合があります。
元乃隅神社の鳥居はいつまで工事中ですか?
鳥居の修繕工事は2027年春以降までの予定です。工事中も写真撮影やお守り・御朱印の授与は可能です。
秋芳洞の見学に必要な時間は?
観光コースは約1キロで、往復90分が目安です。洞内は年間約17度のため、上着の持参が勧められます。
