青森県板柳町で、町議会(定数12)の解散の賛否を問う住民投票が9日、告示される。町立4小学校の統合計画を巡る議会の混乱を受け、住民有志の解散請求(リコール)によって実現するもので、投開票は29日に行われる。同一の町民がわずか2年で再度、重大な判断を担うこととなった。
読売新聞オンラインの報道によれば、板柳町では2024年8月にも統合小学校の在り方を巡る住民投票が実施されたばかりであり、今回の投票は町政の行方を左右する二度目の審判となる。住民の意思が行政と議会の対立をどう裁くか、県内外の注目が集まっている。
対立の発端:統合小の新築か改修か
町議会では今年に入り、統合小の新築を主張する野党会派「創生会」(6人)と、葛西健人町長の改修方針を支持する与党会派「新政会」(4人)が激しく対立してきた。
3月の定例会では、町が提案した統合小の工事に関する予算案について、創生会が「前回の住民投票時に示した金額を大幅に上回っている」などと批判し、5度にわたって否決を繰り返した。
さらに創生会は、新政会出身の今浩一議長が町の公共工事の入札に介入した疑いがあるなどとして、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置して追及した。委員会は9月、「捜査機関による捜査が必要」との結論を出して解散した。
専決処分を巡る議会の混乱
9月定例会の最終日には、葛西町長が統合小に関する工事請負契約を専決処分したことについて、議会に承認を求めた。しかし創生会は「金額は町当初予算の約半分で、専決処分は議会軽視だ」と主張し不承認とした。
議会は何度も中断し、新政会の議員から町議会解散決議が提出されて否決される一幕もあった。町政の根幹である議会と首長の信頼関係が揺らぐ事態は、住民の生活と子どもたちの教育環境にも影を落としかねない。
前回の住民投票の経緯
前回の住民投票は、統合小の校舎について、板柳南小(今年3月に閉校)の校舎を改修するか、板柳中の隣に新築するかを問うた。結果は、葛西町長が主張する「改修」が「新築」を79票上回った。有権者数は1万816人で、投票率は46・39%だった。
この民意を受けてもなお議会の対立が収束しなかったことが、今回のリコールへの流れを生んだ。行政と議会、そして住民の三者の信頼をいかに回復するかは、地方自治のあり方を問う課題として重くのしかかっている。
リコール成立の経緯と投票の方法
今回の住民投票は、町内の有志団体「板柳町を考える会」が「議員が町政を混乱させている」として解散請求(リコール)を目指し、署名活動を開始したことによる。同会は町内の有権者数の3分の1以上の署名を集め、住民投票につなげた。
Web東奥の報道によれば、事態を憂慮した住民有志の行動がリコール実現の直接の契機となり、町議会の出直しか継続かは町民の判断に委ねられるという。
投票は29日午前7時から午後6時にかけ、町内12か所で行われ、町多目的ホール「あぷる」で即日開票される。期日前投票は10日から28日まで、午前8時半から午後8時にて町福祉センターで実施される。投票は記号式で、用紙に記載された「賛成」か「反対」の下に「○」のスタンプを押す方式となる。
解散なら40日以内に出直し選
9月1日時点の選挙人名簿登録者数は1万439人。有効投票の過半数が賛成となれば議会は即日解散し、40日以内に出直し町議選が行われる。
投票率が結果を左右する構図は前回と変わらない。地域の未来を決めるこの一票に、町民一人一人の熟慮が問われる。伝統ある農村地域の結束と、住民の良識ある判断に期待が寄せられる。
住民投票はいつ告示、投開票されるのか
告示は9日、投開票は29日に行われる。期日前投票は10日から28日まで町福祉センターで実施される。
賛成が過半数を超えた場合はどうなるのか
有効投票の過半数が賛成となれば、町議会は即日解散し、40日以内に出直し町議選が実施される。
なぜ2年で2度の住民投票となるのか
2024年8月の統合小校舎を巡る投票後も議会の対立が続き、住民有志団体がリコールの署名を有権者数の3分の1以上集めたためである。
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