STU48の14枚目のシングル「冬服に着替えたら」が2026年10月7日にリリースされた。瀬戸内を舞台に歩み続けるグループが、新たなセンター甲斐心愛を迎え、世代を超えて人の心に寄り添う楽曲への可能性を示した。
光文社の週刊誌Smart FLASHのインタビューによれば、今作のミュージックビデオは16ミリフィルムで撮影され、これまでの作品とは一線を画す仕上がりとなっている。甲斐心愛、前作センターの中村舞、フロントを務める原田清花の3人が、新曲の魅力と変わり続けるグループの「変わらない大切なもの」を語った。
16ミリフィルムが生む「儚さ」と魔法
センターの甲斐心愛は、完成した映像に「儚さ」を感じたという。
フィルムの映像から感じる儚さ、『これはもしかして、自分の記憶なのかな?』と思ってしまうような仕上がりでした。
16ミリフィルムは撮影回数が限られる。2番のサビを一人で踊る場面はワンテイクで収め、「えっ、これで終わりなの?と言ってしまいました」と甲斐は振り返る。緊張を受け止め一発で決める姿に、センターとしての資質がうかがえる。
前作「好きすぎて泣く」でセンターを務めた中村舞は、画面の縦横比が普段と異なる点にまず「いつもと違う」新しさを感じた。「令和にこんな映像を見ることができて新鮮でしたし、淡い昔の記憶の感じを表現するのに成功していると思いました」。映像の比率の制約は、ラストの大サビで一気にフルサイズへ変わる和田昇監督の名演出によって「魔法」へと転じた。
フロントを務める原田清花は「映像の画質もエモーショナルな雰囲気で、大好きです」と完成した作品への愛着を語った。
初選抜メンバーに見る層の厚さ
注目する選抜メンバーを3人に尋ねたところ、奇しくも初選抜の4人が名前を挙げられた。甲斐は濵田田響について「見えないところで、ちゃんと準備してくる子です。初めての選抜なんですけれど、すごく刺激を受けています」と評する。
中村舞は研究生の島田さやかと曽我部あこを推した。「新しく覚えないといけないことがたくさんあるのに、全然見劣りしない。もっともっと前に出てきてもいいくらい良いパフォーマンスをすると思うので、注目してみていただきたいです」。原田清花は3期生の森末妃奈に「本当に初選抜か?という程しっかりしています」と信頼を寄せた。
選ばれるまでの努力の末、初選抜でも仲間の目を惹くメンバーが育つ層の厚さは、今のSTU48の強みのひとつだろう。
カップリング曲に広がるグループの魅力
シングルには4曲のカップリングが収録されている。原田清花は2期生の楽曲「18歳最強説」を推す。「18歳の時の自分の気持ちを忘れずに、一緒に進んでいくような歌詞です」。2020年1月リリースの「僕らの春夏秋冬」以来、6年以上の時を経て生まれた同期の曲に、同期との絆を噛みしめたという。
甲斐心愛は「君を名前で呼んだ日」を挙げた。「最後のサビの終わり方が、めっちゃ可愛くて。アニメっぽい可愛い曲がきました!」。作曲を担当した永塵健登は「ゆるキャン△」シリーズのオープニング曲など多くのアニメ楽曲を手がけており、グループの可愛さを豊かにする一曲となっている。
中村舞はダンス選抜の「逢おう空」を選んだ。「みんなダンスキレキレで、特にセンターの岡村梨央ちゃんは歌唱もすごくて。『これぞプロの集団!』という感じで、心惹かれるものがありました」。グループ内オーディションを勝ち抜いた5人が歌う楽曲で、ダンスと歌唱力の両面で魅力に溢れる。なおスポニチアネックスが伝えるところでは、岡村はその後、本人からの申し入れで当面活動を休止している。
リリース日イベントで感じた新しい波
発売日の10月7日、広島駅南口地下広場では平日18時半からリリースイベントが開かれた。中村舞は「女の子が普段より来ていたように思いました。みんなが真似したくなるような可愛い振り付けだし、今回のシングルで女性ファンも増やしていけたらいいな」と変化を実感した。
原田清花も「学生の子や、『初めてSTU48に来ました』という方もいて、学校終わりに来てくださることは、なかなか無いことなので嬉しいなって思いました」と語る。同日夜には甲斐心愛が広島劇場でソロイベントを開き、「ほんまに温かい空気感のイベントでした」と、精鋭とも言うべき古くからのファンと過ごした。テレビ4局への出演やラジオ公開収録もこなすその働きぶりは、センターとしての役割を全うする姿と言えよう。
後継者を募る、4.5期生オーディション
現在「STU48 × TGC SETOUCHI GIRLS AUDITION 2027」として4.5期生の募集が行われている。中村舞は言葉を選びながら「48グループにリスペクトがある、そういう熱い気持ちの子が来てくれたらと思います。瀬戸内を愛せる人にSTU48に入ってもらえたらいいなと思います」と、伝統を受け継ぐ覚悟を求めた。
原田清花は倉敷でのイベントで「オーディション受けます!」という応募予定者に出会った。「ちょっと、感動しました。一緒にステージに立ちたいと思ってくれている子に出会えたらいいな、と思っています」。
変わらないもの、洗練されていくもの
近年の「傷つくことが青春だ」「好きすぎて泣く」を経て、STU48の楽曲は初期の世界観とは異なる新しい段階に入りつつある。それでも3人が口を揃えて守るものがある。原田清花は「切なさの中に、ちょっと可愛さがあったりして。STU48の根本のところは変わっていなくて、大切にしていきたいと思っています」と語り、中村舞も「STU48の楽曲には『人の気持ちに寄り添う』というものがある」と前提を示した。
甲斐心愛は楽曲の可能性をこう語る。
「冬服に着替えたら」は、『ザ・秋元先生の歌詞』です。満員電車とか、ポニーテール、駅のホームとか、ファンの皆さんの妄想力を掻き立てる歌詞です。STU48を知ない学生の子たちの見解も聴きたい! 季節感もぴったりの曲なので、夏が終わる寂しさも気持ちをリンクさせて聴いていただきたいです。
甲斐は1期生として2017年にデビューし、KLP48への移籍を経て2026年3月31日にSTU48へ復帰した経歴を持つ(Wikipediaのプロフィール参照)。別れと再会を繰り返しながら受け継がれる「大切なもの」。STU48という船は、来年10周年という港へ向かい、瀬戸内の誇りとともに進み続ける。
よくある質問
STU48「冬服に着替えたら」はいつ発売された?
2026年10月7日に14枚目のシングルとしてリリースされた。
ミュージックビデオの特徴は?
16ミリフィルムで撮影され、画面比率の制約がラストの大サビで一気にフルサイズへ変わる演出が特徴。和田昇監督が手がけた。
センターは誰?
甲斐心愛が務める。KLP48移籍を経てSTU48に復帰した1期生である。
カップリング曲は何がある?
「18歳最強説」「君を名前で呼んだ日」「逢おう空」「茜色のラブレター」の4曲が収録されている。
